厨房機器のリース契約ってお得なの?リース契約のメリットデメリット

この記事では「リース契約」についてメリットデメリットを詳しく解説しています。リース契約を検討中の方は、知っておかなければ損をするので、ぜひご一読ください。

厨房機器購入を検討する際、多くの方は「できるだけ新品を使いたい」と考えつつ、中古購入を検討し始めます。しかし、実を言うともう一つ新品をお得に使う手段があります。それがリース契約です。そこで今回は「リース契約」についてメリットデメリットを詳しく解説していきます。

リース契約とは

まず、リース契約とは「機器の貸し出しを行っている業者と契約し、契約期間の間機器を借りる」というものです。リース契約では、借りる側と設備メーカーの間にリース業者が入って契約を結びます。

リース契約のメリットデメリット

メリット
リース契約のメリットとして主なものは
・初期費用がなくとも機器が使える
・厨房機器の処分をする必要がない
・内装工事なども並行してできる可能性がある
・機器にかかる税金などの申告はリース業者が行ってくれる
・最新機器をお得に使用できる
以上の5つです。順に解説していきます。

初期費用がなくとも機器が使える

多くの飲食店がリースを利用する理由は「機器を買う初期費用がないから」です。そのため、「初期費用がなくとも機器が使える 」というのは、リース契約最大のメリットとも言えます。

例えば、リースを使わず「ラーメン屋の厨房機器」をそろえようとした場合には

必要機器 価格帯
冷凍冷蔵庫×2 2ドアタイプ6~16万円ほど
4ドアタイプ20万円ほど
合計:約26~36万円
製氷機 平均10~13万円
合計:13万円
ゆで麺機×2 平均10~25万円
合計:20~50万円
調理台、作業台×2 平均1~4万円
合計:2~8万円
ガステーブル×3 平均10~20万円
合計:30~60万円
スープ台 平均5~9万円
合計:5~9万円
2槽タイプのシンク×2 平均5万円
合計:10万円
合計 平均103万~186万円

以上の費用がかかります。およそ200万円です。そのため、よほど余裕がない限りは全部そろえられないケースも多くなっています。

そこで手段としてでてくるのが、リースです。リースであれば月々の支払いだけで最新機器を借りることが出来るため、最初に費用の用意が出来なくともお店が開けます。そのため、リース契約で機器をそろえる店は多いです。 具体的には、200万円近くする厨房機器がセットで「月々2万円ほど」になります。

厨房機器の処分をする必要がない

店舗を開く際には、当然ながら閉業するリスクも考えておく必要があります。なぜなら、飲食店業界には競合が多く、閉業する確率も高いからです。もし閉業した場合には、厨房機器の処分や内装外装の取り外しといったことに費用がかかってきます。そのため、莫大な負債を抱えてしまうケースもざらにあります。

しかし一方で、リース契約の場合には厨房機器の処理費用がかかりません。その理由は、リース契約で借りている厨房機器の所有者がリース業者だからです。リースでは、あなたの代わりにリース業者が厨房機器を買い、貸し出しているため処分の際にはすべて任せられます。

そのため「不景気の中でお店を始めるため、高い機器を購入するのが怖い」という方ほど、リースであることが多いです。「最初に大きなリスクを負いたくない」という方は、初めの数年だけでもリース契約の検討を行ってみることをおすすめします。

内装工事なども並行してできる可能性がある

リース業者には「厨房機器のリースだけを行っている」という会社もありますが、他の事業を並行して行っている会社も近年増えてきています。他の事業に多いのは「開業支援系事業」です。

この事業は読んで字のごとく「お店を開くお手伝いをします」というもので、具体的には
・内外装工事の手配
・物件探しの手伝い
などが挙げられます。また、店の開業に必要な作業を全て行っているケースもあり、うまく活用すれば、素早くお店を開くことも可能となります。

またリース契約とセットであるため、割引が利くということもあります、しかし、割引の有無などは業者によっても異なるため、事前に公式サイトなどで確認しておきましょう。

機器にかかる税金などの申告はリース業者が行ってくれる

基本的に厨房機器を購入した場合、厨房機器は「資産」とみなされます。そのため、確定申告の際に「減価償却」と呼ばれる事務処理を行うことが必要です。しかし、リース契約の場合には、厨房機器周辺の手続きはリース業者が行ってくれます。

また、厨房設備が万が一故障した場合にもリース業者が対応してくれます。なぜなら、保守料金がリース料に含まれているからです。そのため、メーカーの保証期間を過ぎた機器も、安心して機器の使用ができます。

最新機器をお得に使用できる

リース契約では「新品の厨房機器」をリース業者が購入し、メーカーが契約者へ納品しにきます。そのため、安く最新機器を使うことができます。

近年では「中古機器のリース」もでてきていますが
・壊れやすい
・最新機器に比べ光熱費がかかる
といったデメリットもあり「これなら一括で中古を買った方が良い」という声もあります。

デメリット
リース契約のデメリットとして主なものは
・連帯保証人が必要なケースもある
・最終的に購入するより支払いが高くつく
・途中解約できないケースが多い
以上の3つです。順に解説していきます。

連帯保証人が必要なケースもある

リース契約は賃貸契約のようなものなので、月々の支払いがあります。そのため、場合によっては契約時に、連帯保証人が必要なケースもあります。個人が経営する飲食店の場合には「契約者が夫、妻が連帯保証人」というケースが多いです。

特に
・「初めてリース契約をする」
・「審査の上で必要と言われた」
という場合には連帯保障人が必要なため、リース契約を検討する際にはあらかじめ「誰を立てるのか」という相談をしておきましょう。

最終的に購入するより支払いが高くつく

当然リースもビジネスであるため、支払い金の中には「手数料」が含まれています。そのため、月々という短いスパンで見れば安いのですが、総額で見た場合には割高であることが多いです。

具体例を挙げると、ホシザキの縦型冷蔵庫の場合、新品を購入するのであれば「40万円ほど」ですが、リースであれば総額で「70万円近く」となります。そのため、リース契約される際にはこうしたデメリットも加味するようにしてください。

途中解約できないケースが多い

リース契約では基本的に途中解約ができません。なぜなら、途中解約されてしまうとリース業者は損失を被るからです。もし、途中解約できたとしても、残債が残っているため一括で払うことになるケースもあります。

リース契約では
・3年契約、36回払い
・5年契約、60回払い
・7年契約、84回払い
といった「数年間にわたって分割払いを続けるスタイル」が主流です。中でも、平均6年前後の契約が多いです。

また、まれに「廃業するのに支払うのはもったいないから契約人を変更したい」という方がみられますが、基本的に不可能です。なぜなら、リース契約において「名義変更」を容認している業者がほとんど存在しないからです。

業者としては「契約がきちんと履行される」という安全性が一番であるため、引継ぎなどはまず不可能であると思っておいてください。

まとめ

「リース契約」についてのメリットデメリットは、お分かりいただけたでしょうか。リースには良いことも多い反面、やはりデメリットもあります。そのため、しっかり検討したうえで後悔しないよう決断してください。